アリクイは名前の通り、アリやシロアリを主食とする哺乳類です。長い鼻と細い舌という独特の体のつくりは、この食生活にぴったり合わせて進化しました。ここではアリクイの舌のしくみと、食事にまつわる雑学を紹介します。
驚くほど長い舌
アリクイの舌は最大で60センチ近くもあり、体の中に深く収納されています。舌骨という骨格が特別に発達しており、筋肉の収縮で高速に出し入れすることができます。そのスピードは1分間に100回以上。まるでピストンのように動かして、巣穴の中からアリを舐め取ります。
歯がない食べ方
アリクイには歯がありません。その代わり、舌に粘着性の唾液をまとわせて獲物をまとめて飲み込みます。胃の中では砂や小石を使って食べ物をすりつぶす仕組みになっており、歯がなくても消化に支障はありません。まさに効率を極めた食事法です。
アリの巣を壊さない理由
一見、アリクイは巣を破壊してアリを食べ尽くすように思われがちですが、実際には少しずつ食べるだけにとどめます。巣を完全に壊してしまうと次に食べるアリがいなくなるため、自然と「ほどほどに食べる」習性を身につけているのです。持続可能な食事スタイルといえます。
強力な前足
巣を開くときに使うのが発達した前足です。鋭いツメで地面を掘り、巣の入口を広げます。このツメは木登りや敵から身を守る際にも役立ちます。普段は内側に折りたたんで歩くため、歩き方が少しぎこちなく見えるのも特徴です。
豆知識
- アリクイの嗅覚は非常に発達しており、人の数千倍ともいわれる。
- 1日に2万匹以上のアリやシロアリを食べることもある。
- 舌の表面には細かなトゲのような突起があり、アリを絡め取るのに役立つ。
まとめ
アリクイは長い舌と粘着性の唾液、鋭いツメなど、すべてがアリを食べるために特化しています。独特な見た目の裏には、無駄のない進化の結果が隠されています。森の中で静かにアリを舐め取る姿は、自然が生んだ究極の専門職です。

