ゆったりとした動きと丸みのある体で知られるマナティ。海牛類とも呼ばれ水草を食べて暮らす温厚な海の哺乳類です。かつて人魚伝説のモデルになったともいわれその存在は不思議な魅力を放っています。
人魚伝説とのつながり
航海の時代に船乗りたちが海で見たマナティを人魚と間違えたとされています。水面に浮かび胸びれで子どもを抱く姿が人の腕のように見えたのです。遠目や荒天の中では幻想的に映り伝説へとつながりました。
食性と暮らし
マナティは海草や水草を主食とし一日に体重の一割近くを食べるといわれます。消化のために長い腸を持ち反芻はしませんが腸内で発酵させ栄養を吸収します。淡水域から海岸の浅瀬まで幅広く分布し温暖な水域を好みます。
体の特徴
前肢はヒレ状で物をつかむこともでき尾は丸く扇のような形をしています。体毛は少なく皮膚は厚くしわがちです。肺は大きく一度の呼吸で数分潜水でき浮力調整にも役立っています。
マナティとジュゴンの違い
よく似ていますがマナティの尾は丸くジュゴンの尾はイルカのように二つに分かれています。口の形も異なりジュゴンは下向きで海草を掘りやすくマナティはより幅広い植物を食べられます。分布域もマナティはアメリカ大陸周辺ジュゴンはインド太平洋域と異なります。
豆知識
- マナティは「海の牛」とも呼ばれるが鳴き声は甲高い笛のようで意外にかわいらしい。
- 前歯はなく奥歯がすり減ると新しい歯が奥から前へと移動する「歯のベルトコンベア方式」を持つ。
- 絶滅危惧種に指定されておりボートのスクリューによる事故が大きな脅威になっている。
まとめ
マナティは人魚伝説のモデルといわれるほどユニークな姿と穏やかな性質を持つ海の哺乳類です。食性や体の仕組みも独特で進化の面白さを感じさせます。ゆったり泳ぐ姿を知ると伝説に重ねた昔の人々の想像力にも納得できるでしょう。

